沢山集めればゲージツになる!?

KuritaKeiichi2006-05-18

昆虫などの標本、切手やコインなどの収集、これらは一匹や二匹、3、4枚だったら、よほど珍しいものでもなければ、一般的な価値は認めてもらえません。沢山集めてはじめて価値が生まれます。写真にも似たようなことがありそうです。
最近、道を歩いていたら「1056人の新生児写真展」に出くわしました。壁いっぱいに赤ちゃんの顔が貼ってありました。神戸市で写真館を営む酒本和範さんが同市内の産院の依頼で始めたプロジェクトとのことです。後で知ったのですが、ニュースなどでも紹介されていましたね。
この手法はプロも時々使っているようで、「Yellows」などで一世風靡した五味彬氏の写真はモロ標本写真でしたし、あのアラーキーも撮っていて、顔の標本だったり、空き缶の標本だったり、地下鉄の乗客の標本だったりといろいろ実験しています。鬼海弘雄氏の「ぺるそな」も標本写真の典型でしょう。もっとも「ぺるそな」は単体でも十分に通用するような濃いキャラばかりを集めていたようですから、差し詰めミイデラゴミムシ(ヘッピリムシ)などの標本でしょうか。
どれにも共通して感じるのは、「よくも、これだけ集めたなあ」、という労力に対する感嘆です。同じような対象の写真をゲージツの域にまで収集し続ける作業は、私にはまねできない芸当ですから。


有楽町 2006/3/9鬼海弘雄氏の写真展を見に行ったときに撮った写真)
Rolleicord Vb (Xenar 75mm/F3.5)
Fuji PRESTO400@400