沖縄(その31):旧海軍司令部壕

KuritaKeiichi2006-12-26

小禄にある旧海軍司令部壕です。多いときで数千人が立てこもっていたという巨大なものです。ここから戦闘に出て行った者のほとんどが、二度と戻ってこなかったとのこと。司令官たちも、最期はここで自害しています。自害に用いた手榴弾の痕が、今も壁に残されたままになっています。

壕の上には巨大な墓がありました。戦没者のかと思ったら、墓の世話に訪れていた年配の女性の家のものだそうです。その周辺に勢力を持っていた豪農とのこと。

「東京から? そう、日本から来たんですか。」

「沖縄は墓が大きくて、家が小さいの。日本は家が大きくて、墓が小さいでしょ。」

壕の話に及ぶと、「私は13歳だったら避難していたけれど、5歳上の姉は「ひめゆり」に行ってしまった」と、思いがけず当時の話も伺えました。

「日本」という言い方に、えっ? と思いましたが、年配の方々にとっては、日本と沖縄とは違う国という意識が強いかもしれません。琉球人であって日本人とは違うということなのだろうと想像しました。

長々と引っ張った沖縄シリーズは、今日の旧海軍司令部壕で締めとします。


旧海軍司令部壕 2006/11/15
Leica M3 + Zummicron-M 50mm/F2
Fuji Super400@400