アラーキー著『写真への旅』

浅草

30年ほど前の、アラーキー36歳の時の本です。図書館で見つけました。アラーキーの言動や文章には、下品で、かつ、猥褻なものが散りばめられていて、世間がもてはやすほどには、これまではなじめませんでした。今こうして読んでみると、中々に含蓄のある内容で目から鱗が落ちるような気分にさせてくれます。「私写真」を撮って、「私現実」を顕在化させて、アラーキーは思、想しているんですね。写真を撮る行為について考えさせてくれました。今もそうかもしれませんが、30年前のアラーキーは、結構まじめに、そして、アカラサマに哲学していたようです。ダイアン・アーバスを引用していました。
「私にとっては写真そのものよりも写真の主題とするところの方がつねにより大切です。そしてより複雑です。」
私も思、想しなくちゃ。


浅草 2005/9/19
Leica M3 + Summicron 50mm/F2
Fuji Acros100@100, Microfine